『逍遥(しょうよう)』

(筆者:生出 拓郎)

 

今月は3月5日に『啓蟄』、3月20日に『立春』があり、暦の上では、もうすっかり春になります。

『啓蟄』は大地が暖められて、冬眠中の虫たちが穴から出てくる頃をさし、『春分』は日本や中国だけでなく、中央アジアやヨーロッパでも、春の始まりの日として認識されています。一日の間で、昼と夜の時間の長さが等しくなり、春分以降は、昼の時間が徐々に長くなりますので、中医学の基となる陰陽説での、『陰消陽長』にあたります。

                               

虫が穴から出てくるのも、昼の時間が長くなるのも、陽が増加している証拠であり、自然全体がより活発に活動し始めます。

この時期には人も動物や植物と同じように、冬の時期よりも多く外出したり軽く運動したりと活動的になる事が、季節の変わり目に体調を崩さないために大切になります。

また、うまく季節の変化に対応できずに、気持ちがふさいでしまったり、仕事や環境の変化などのストレスで、体が思うように動かない時には、『逍遥丸(しょうようがん)』という漢方薬がおすすめです。

この“逍遥”と言う言葉には、『そこここをぶらぶらと歩くこと。散歩。』『心を俗世間の外に遊ばせること。悠々自適して楽しむこと。』と言う意味があり、この時期の体調維持にぴったりです。

適度な運動でストレスを発散し、春本番に向けて体調管理に努めましょう。