筆者:照屋 里美

kitakazesinsin乾燥の時期。皮膚の乾燥やかゆみに悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

皮膚の乾燥には保湿クリーム・保湿ローションでと考えがちですが、漢方では、皮膚の症状は皮膚の問題だけではなく、からだの中から、不足しているものや低下している機能を補っていく事で治療していきます。

身体の潤いの基本は、「血」と「水」。これらを補いながら、内臓機能を整えていく事が大切です。

 

」の不足

「血」には全身に栄養や潤いを与え、身体を温める作用があります。不足すると、身体が乾燥したり、血の巡りが悪くなったり、冷え性、立ちくらみ、便秘、月経不順、また不眠や記憶力の低下などの症状が現れることがあります。

「血」を補いかゆみをとっていくもので代表的なものは、当帰飲子です。当帰飲子は血を補う四物湯に痒みを緩和する生薬が配合されています。他にも血を補う漢方には、温清飲、婦宝当帰膠、などがございます。

・おすすめの食材:にんじん、ほうれん草、ぶどう、レバー、鮭、ひじき、なつめ、クコの実、黒砂糖など

 

」の不足

「水」とは体を潤している水分や体液のこと。身体の水分や体液が不足すると痒みの原因になります。この「水」の産生には様々な臓器が関係していますが特に大事な臓器は『脾』です。皮膚の乾燥が長引く方には少し遠回りに感じるかもしれませんが脾を元気にしていきます。この脾を元気にする漢方は健脾散顆粒や心脾顆粒がございます。

・おすすめ食材:生姜、シナモン、山芋、大根

 

「肺は皮毛を主る」と言われ、皮膚と同じように乾燥を嫌い、潤いを好みます。皮膚のトラブルが長期化したり、繰り返す場合は肺からアプローチをします。

肺を潤すものとしては、麦味散顆粒、麦門冬湯、沙棘果実油含有食品、西洋人参、ユリ根含有食品などがございます。

・おすすめの食材:梨、大根、れんこん、白菜、かぼちゃ、はちみつ、りんご、みかん、鶏がらスープ、豆乳、白きくらげ、ユリ根など。

 

「肝」は代謝や「血」の貯蔵、自律神経系を調節する臓器。肝の潤いが不足すると、目の乾燥や疲れ、月経不順、自律神経系の症状が現れてきます。

「腎」は、泌尿器系だけでなく、成長や発育、老化、ホルモンなどに関係する臓器。腎の潤いが不足すると、髪のぱさつき、白髪、腰痛、頻尿、陰部の乾燥、のぼせ・ほてりなどの症状が起こりやすくなります。

特に「腎」の乾燥は、全身の乾燥の原因にもなりますので、なかなか乾燥が改善されない方は、こちらから治療していく事が大切です。

肝・腎を潤すものとしては、八仙丸、杞菊地黄地黄丸、亀板・鼈甲含有食品、二至丸、沙棘果実油含有食品などがございます。

・おすすめの食材:黒ゴマ、黒豆、山芋、人参、ほうれん草、くるみ、なつめ、海藻類など

 

養生法」

・お風呂から上がったら、すぐに保湿クリームやローションを塗る。

 (イスクラの瑞花露クリームやローションがおおすすめ!)

・睡眠不足は乾燥の原因になるので、早寝早起きをこころがけましょう。

・辛い物(カレーや唐辛子など)は控え目に。

                suikaro2suikaro
瑞花露シリーズ