眼精疲労 (気になる症状)

2012/3/26(筆者:川那辺 貴弘)

パソコンが普及し、仕事場でも自宅でもモニターと向き合う時間が増え、眼精疲労を訴える方が増えています。もちろん目の疲れなのでパソコンに限定されず目を酷使する方に眼精疲労は多く見られますが、モニターを注視する方が眼精疲労の大半をしめているようです。眼精疲労は肩から背中上部にかけての『凝り』も大きく影響します。モニターの画面や文字を見る際に、首や肩のあたりの筋肉を知らないうちに使うために凝りが発生します。この背中上部の凝りが血行不良をもたらし目の疲れや痛み、更には頭痛を引き起こします。

漢方では目を養う処方や首から肩にかけての血行不良を改善する処方を眼精疲労に対しては良く使います。

 

目を養う漢方

 『肝は目に開竅する』と言われ、目を直接養うのではなく『肝』を養う事で『目』も養われます。代表的な漢方は『杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)』です。杞菊地黄丸は腎を補う六味丸に菊花と枸杞を加えることにより肝を経由して目を養います。ちょっとした目の疲れなら菊の花だけでも良いですが、毎日目を酷使している方はこの杞菊地黄丸がおすすめです。この他にも鮑(あわび)や決明子(けつめいし)を使う場合もございます。

肩・首の血行を改善する漢方

 血行を改善する漢方はたくさん種類がありますが、その中でも首や肩の凝りを改善する代表的な漢方は『冠元顆粒(かんげんかりゅう)』と『血府逐?丸(けっぷちくおがん)』です。のぼせがある方には血府逐?丸がお勧めですが、それ以外であれば冠元顆粒がお勧めです。お湯に溶かしお茶のように飲む方も多く、デスクワークが多くて血行が良くない方には特にお勧めです。仕事や勉強に集中する事は大事ですが、時には息抜きも必要です。あまり根を詰めすぎないようにお気を付け下さい。