『食中毒』

(筆者:生出 拓郎)

 高温多湿な夏は、食中毒の発生が一年を通して、最も増加する季節です。さらに夏休みで旅行に行かれる方も多く、旅先でお腹を壊す事も多いようです。

お刺身や生の魚介類をはじめ、卵、牛・豚・鶏肉、ソーセージなど、日頃から口にしている食べ物での発生が多いので、注意が必要です。

 夏場は細菌性の食中毒が多いですが、味や匂い、見た目では判断できないので、予防することが肝心になります。

 

 

☆細菌による食中毒を予防する三大原則☆            

付けない:まな板や包丁などの調理器具に付着させないように清潔に保つ

増やさない:冷蔵や冷凍、または乾燥させることで、菌の増殖を抑える

殺菌:加熱することにより、菌を不活化させる

このような予防をしていても、食中毒になってしまった時は、適切な対応が必要になります。嘔吐や下痢の症状は、体内の邪を外に出そうとしている大事な体の反応ですので、むやみに下痢止めなどで止めないようにしましょう。

そして、下痢が続くと脱水状態になりますので、しっかりと水分補給をしましょう。

 漢方では、解毒作用が期待できる生薬や、下痢のもとになる余分な水分を出す生薬などを中心に服用します。

例)勝湿顆粒、半夏瀉心湯、五苓散、五行草、板藍根など

 もちろん悪化する前に、自己判断に頼らず、早めに病院に行くことも大切です。

また、食事の食べ合わせも大切な予防になります。『お寿司とガリ』『お刺身とわさび・紫蘇』『生の魚介類と酢(マリネや酢の物)』など、普段何気なく食べているものも、食中毒の予防に適している、食べ方、調理法、組み合わせがたくさんあります。

このような日々の生活の知恵を大切にし、まずは邪(菌)に負けない体を作っていくことが何よりの予防になります。元気な体で、夏を楽しく乗り切りましょう。