妊娠したい

 

執筆者:同仁堂薬局 柳父憲子

  

 赤ちゃんが欲しい!!でもなかなか妊娠しない!という方が増えています。結婚の年齢が高くなっているのも1つの要因ですが、それ以外にもストレス、冷え、子宮や卵巣の病気などなど原因は様々です。もともと原子卵胞はこの世に生まれた時から数が決まっており、年齢とともに数は減少し老化していきます。そこから毎月5個から20個の原子卵胞が発育し、そのうち1個のみが左右のどちらからかの卵巣から卵子を出しています。これが排卵です。この排卵前後が一番妊娠しやすい時期になります。

 

妊娠したい方は基礎体温を測ってみるとご自身のバイオリズムがわかりやすいかと思います。(『女性のための漢方バイブル』の中の基礎体温を測る参照)  基礎体温はいつもきれいな2相とは限りません。むしろ低温期、高温期が大きく波を描いている。 低温気が長い。高温期が短い。生理になっても基礎体温が下がらない。などいろいろご自分の体調が見えてきます。 これはだいたいの目安でこれだから病気というわけではありませんしこのような方でも妊娠される方はいらっしゃいます。

又、子宮内膜症・筋腫・チョコレート嚢腫・甲状腺の病気、などの病気であっても妊娠される方はいらっしゃいます。妊娠しやすくするためには体調を維持し、子宮の内膜の状態をすこしでも良くし、排卵をスムーズにしていく体や月経の改善が必要です。もちろんそういう症状になる原因があるので、できるだけ少しずつ病気にならないような生活や食事の改善も必要になってきます。少しでも体にとって負担にならないように早く寝る。できるだけ暖かい食べ物を食べる、ということも大事です。好き嫌いが多くても内膜や卵を育てる栄養が入りにくくなるのでバランスの良い食事も必要です。

 

病院の検査では何でもないのに妊娠しづらいという方もいらっしゃいます。この場合ストレスが大きく関係しています。“赤ちゃんが欲しくてたまらないのに自分はなぜ妊娠出来ないの”という思いが強くなり、それがストレスになっている方が多いです。周りの方からプレッシャーをかけられる事もストレスですが、“妊娠できないこと、妊娠しなければ”ということを考えるのではなく、人生を楽しむことに集中すると妊娠しやすくなります。旅行に行ったり、食事に行ったりしていつもと違う事でリラックスされてみてはどうでしょうか。